Q:不完全甘柿ってそもそも何なの?
甘いの?渋いの?それとも甘味が薄いってことなの!?甘くなるか渋くなるかは運任せですか!?
不完全甘柿は、種の有無・多少により成熟時に渋が残ることがあるので「不完全」といいます。
もともと柿は渋が基本です。
何かの突然変異で甘柿ができました。
甘柿は基本的に一代雑種で、接ぎ木で殖やすのが基本です。
いわゆるクローンです。
平核無など種のない柿はクローン技術(接ぎ木)で繁殖させるのです。
果物の性質を固定させるのにクローン技術(接ぎ木)は欠かせません。
渋の元はシブオールと物質で水溶性です。種が多いとシブオールが集積しゴマの
姿になり不溶性になります。不溶性になったシブオールは唾液で溶けないので渋さを感じないということになります。
なぜ種が多いとゴマになるかは、ホルモンの加減だと推察しています。
Q:種ができると甘くなるんですか。
種の数が多くなると甘くなるのは事実ですが、受粉樹を植えたら甘くなるかは未確認です。
渋柿のシブ抜きは、シブオールをアルコールにより不溶性にさせることです。
また、渋柿が熟するとシブオールは自然と不溶性になるようです。
渋が基本ということで、遺伝子は渋が優性ということになります。
種の性質は交配の原則によります。
不完全甘柿が存在するのは、遺伝子の発現性によるもと思われます。
そういう発現性の品種を、人間が伝えてきたということでしょう。
なぜそういう品種を伝えてきたかについては、食文化や風土、木の育てやすさや収穫後の加工方法、食味など様々な要素が組み合わさって、今の品種に収れんされてきたのだと思います。
以上が不完全甘柿の私の認識です。
柿の性質についてはまだわからないことも多いようです。